スズタケ(篶竹)

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スズタケ(篶竹)

別名:みすず(美篶、水篶)

   のすず(野篶)

   ほそばすずたけ(細葉篶竹)

界 : 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
階級なし : ツユクサ類 Commelinids
目 : イネ目 Poales
科 : イネ科 Poaceae
亜科 : タケ亜科 Bambusoideae 
属 :スズタケ属  Sasamorpha                   種:スズタケ Borealis。

形態:常緑。樹高1~3m。径0.5~0.8cm。葉長10~30cm
花序:円錐花序。花期:120年に1度。5月の2週間程。花色:濃紫、黒。
原産地:日本。(北海道、本州、四国、九州の太平洋側に多い)朝鮮。日当たりのよい草地。

樹高が1~3mほどになる、大型のササの一種ですね。

このササは、花が120年に一度咲きますが、花が咲くと実が成って、地下茎でつながっている群落すべてが枯れてしまいます。

ちょうど今、植物学者・牧野富太郎氏をモデルとした朝ドラが人気になっていますが、それが丁度120年程前の話で、このササの花が120年ぶりに咲いた話をやってましたね。それから120年がまたたって、また花を咲かせたわけです。

120年周期と言っても、全国でまあまあのバラツキはあるようで、日本中で2017年に今回の開花のピークが来た後も、アチコチでまだ開花の報告がありましたね。写真のスズタケ(篶竹)は、2022年5月に秋田県で撮影いたしました。

民間伝承に詳しい人によれば、「竹の花が咲くと飢饉がくる」とか「竹の花が咲けば世の中が悪い」「竹に花咲けば、竹が枯れるし、飢饉がきて、流行病がはやる」「笹の実がなる年は飢饉だ」といった伝承が、全国各地にあるといいます。120年に一度とは、そんな伝承が後世に伝わるギリギリのタイミングなのかも知れないですね。

 

長い黒紫色の穂に付く花には、花弁は無く、黄色く透き通った雄蕊が風に揺れて花粉を飛ばし、穂先の綿の様な雌蕊に花粉がくっ付くと、受粉となります。

竹は寿命が長いのに、なぜ一生に一度だけ、120年に一度だけ花を咲かせて枯死するのかは、昔からの謎でした。有力な仮説として、一部を生き延びさせるという「捕食者飽食仮説」がありますすね。

「捕食者飽食仮説」とは、不作年に種子食性昆虫の密度を低下させ、翌年の豊作年に捕食者が食べきれないほどの花(種子)を生産して、種子の生存率を高める事 を言います。

また、名古屋大学の梶村恒教授ら同大学の研究チームは、2017年に頂点に達した日本のスズタケの一斉開花が、森林性の野鼠の個体群の大量発生につながる現象を確認したそうです。竹の花の後には大量の実(種子)がなり、それが野鼠を増やす結果となる訳ですね。人間にとっても竹の実が救荒食(きゅうこうしょく、飢餓に備えて備蓄、利用される代用食物)に利用されてきた歴史がある位ですからね。

 

スズタケ(篶竹)の名前の「スズ」は、葉が風にそよいで音を立てる様子を鈴の音に例えた名前、とする説があります。また ススキの様に叢生する意味 と言う説もあります。「タケ」は、ササとは思えぬほど背が高い事から名前が付いたと思われますね。

 

またスズタケ(篶竹)の活用と言えば、筍は食用になり、稈(かん、樹木で幹に当たる部分)は 釣り竿などに利用されます。

また、竹細工の材料としても、しなやかで丈夫、使い込む程に深みをまし、バッグやカゴ、ザルなどが全国的に人気ですね。また、簾(すだれ)や行李(こうり)などにも人気の材です。

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