シオン(紫苑)

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シオン(紫苑)

別名:鬼の醜草(おにのしこぐさ)

   十五夜草(じゅうごやそう)

   思い草(おもいぐさ)

中国植物名、生薬名:紫菀(ジワン)

学名:Aster tataricus

界 : 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : 真正キク類II Euasterids II
目 : キク目 Asterales
科 : キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
連 : シオン連 Astereae
属 : シオン属 Aster
種 : シオン A. tataricus

形態:多年草。                          草丈:100〜200cm。                      花序:散房花序、円錐花序。                    花期:9~10月。                         花色:青色、紫色。                        原産地:日本(中国地方、九州地方)、中国北部、朝鮮半島、シベリア。

環境省レッドリスト 絶減危惧II類(VU)

 

シオン(紫苑)は、朝鮮、中国北部、シベリアが原産地と考えられていますが、日本の中国地方、九州地方も自生地があります。これは日本に渡来した物が、後に中国地方・九州地方で野生化した物ではないか?と考えられているのも、否定出来ない為です。近年は、その自生地においても、環境省レッドリストの絶減危惧II類(VU)に指定されていてしまっていますね。

最初は薬用目的で、有史前に朝鮮もしくは中国から渡来したが、花が美しい事から、次第に園芸目的でも育てられる様になりました。源氏物語(1008年)には、すでにシオン(紫苑)の名前が出ているので、平安時代には、すでに栽培されていたことがわかります。それ以前にも、万葉集(759~780年)では「鬼の醜草(おにのしこぐさ)、古今和歌集(905年)では「しおに」の名前で シオン(紫苑) がでてくるので、すでに日本に浸透した草花でありました。

現在、日本でのシオン(紫苑)の栽培は鑑賞目的に限られ、生薬は中国や朝鮮半島からの輸入品で、まかなわれているそうです。

薬効としては、シオン(紫苑)の根および根茎を乾燥したものを、生薬名「紫苑」と称して、鎮咳、去痰、利尿薬として使用します。漢方の処方としては、杏蘇散などに配合されていますね。有効成分としては、トリテルペン(shionone, friedelin)、サポニン(astersaponin類)があげられますね。

私は、シオンと聞いて、イスラエルの歴史的地名を思い浮かべてしまい、最初は、中東~ヨーロッパ産かと思ってしまいましたが、極東の原産でしたね。 とんだ シオン違い でした。

 

シオン(紫苑)の花言葉は、「君を忘れない」「遠くにいる人を思う」「追憶」ですが、この花言葉は、平安後期の説話集『今昔物語集』(1120年)に納められた物語に由来する、と言われていますね。

『昔々、若くして父親をなくした兄弟がいました。兄弟は毎日父親の墓に通い、墓の前に「シオン」の花を植えていたそうです。やがて時がたち、兄は忙しいことを理由に父の墓参りに行かなくなってしまいました。しかし、弟は一人、欠かさずに墓参りを続けたのです。

この様子をずっと見ていた鬼は、その姿に感心し、弟に特別な予知能力を与えました。弟は、授けられた能力を使って末長く幸せに暮らしたそうです。』

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