カワミドリ(河碧・川緑)

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_DSC2113カワミドリ  画像の大きさ8256x5504

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カワミドリ(河碧、川緑)

別名:ハイソウコウ(排草香)

英語:Korean mint(朝鮮ミント)

学名:Agastache rugosa

界 : 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
目 : シソ目 Lamiales
科 : シソ科 Lamiaceae
属 : カワミドリ属 Agastache
種 : カワミドリ A. rugosa

形態:多年草
花序:輪散花序。穂状花序。
花期:8~10月
花色:紫色
原産地:日本では、北海道、本州、四国、九州に分布。海外では朝鮮半島、中国大陸、シベリア東部に分布。明るい山地のやや湿った場所などで育ちます。

 

カワミドリ属(Agastache)は 20種類ほどの植物が所属しています。その殆どが北アメリカ大陸に自生していますが、アジア(日本)には、このカワミドリ(河碧、川緑)1種だけが分布しています。

アメリカの伝統的ハーブとして知られるアニスヒソップは、北アメリカ大陸に分布しいてるカワミドリ属の代表的な植物ですが、強い芳香がある所など、カワミドリ(河碧、川緑)ともよく似てますね。

カワミドリ(河碧、川緑)がこの芳香を持っているのは、メチルキャビコール、アネトール、リモネンやアニスアルデヒドなどの精油成分が含まれているからですが、これらは健胃、発汗、止嘔作用のある事でも知られています。このためカワミドリ(河碧、川緑)は、芳香性健胃剤や風邪薬として、食欲不振、消化不良、嘔吐、下痢や風邪などに、広く用いられていますね。

漢方では、カワミドリ(河碧、川緑)を用いた薬名に、藿香(かっこう)を当てる事も多いですが、これは半分は誤り、もう半分は正解ですね。

と言うのも、日本薬局方では藿香(かっこう)の基原植物は、パチョリ(シソ科ミズトラノオ属のハーブ)ただ一つであるのに対し、中国の「薬材学」では、パチョリと並んでカワミドリ(河碧、川緑)も 藿香(かっこう)と呼んでいるのです。つまり日本と中国では、漢方における藿香(かっこう)の定義が違うのですね。まあ、日本は伝統的な物・レシピを大切にする国、一方の中国は経済性・利便性を最優先する国、というのが現れているのかもしれませんね。

 

奈良県、長崎県、熊本県などでは、絶滅危惧種、絶滅危惧Ⅱ類に分類されている他、多くの地域での減少が確認されているみたいですね。主な原因は、環境の変化からの植生の遷移があるようで、開発の波には抗えないといったところでしょうか。

ただし一方で、強い芳香のせいか、シカやウサギはこのカワミドリ(河碧、川緑)を嫌うようで、野生動物の食害といった点では、安心のようですね。

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