ボタン(牡丹)

#012

_DSC1260ボタン宝山  画像の大きさ8256x5504

_DSC1266ボタン連鶴  画像の大きさ8256x5504

ボタン(牡丹)

別名:富貴草、富貴花、百花王、花王、花神、花中の王、百花の王、天香国色、名取草、深見草、二十日草(廿日草)、忘れ草、鎧草、ぼうたん、ぼうたんぐさ、など。

学名: Paeonia suffruticosa

界 : 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
目 : ユキノシタ目 Saxifragales
科 : ボタン科 Paeoniaceae
属 : ボタン属 Paeonia
種 : ボタン P. suffruticosa

形態:落葉小低木。                        花序:岐散花序(二出集散花序)。                 花期:4月下旬~5月中旬(冬牡丹 11~2月 本来は春咲きのボタンを冬に咲かせる為、栽培に手をかけた物。)(寒牡丹 春と冬に咲く品種。11月~1月に咲く。)                       花色:白色、赤色、ピンク色、オレンジ色、黄色、緑色、茶色。    原産地:中国西北部〜8世紀に渡来。

 

以前 ボタン(牡丹)は、キンポウゲ科に分類されていましたが、近年 改められ、今はボタン科が新設されています。見かけが似ていたキンポウゲが近縁と思われていた訳ですが、現在では 系統的にはかなり異なると言われていますね。

ボタン科 (Paeoniaceae) は、ボタン属(Paeonia)だけからなる単型科で、花が大きく美しい ボタン(牡丹)やシャクヤク(芍薬)が含まれています。

 

中国西北部が原産地ですが、初期は薬として栽培されていました。根の樹皮部分が、牡丹皮(ぼたんぴ)と称される生薬で、消炎、解熱、止血・鎮痛、浄血、月経痛、子宮内膜炎などに効用があると言われていて、漢方では 主に婦人病薬に配剤されていました。

中国で園芸用に栽培されだしたのは、盛唐期(712年~765年)以降と言われ、ボタン(牡丹)の花が「花の王」と言われだしたのも、この頃ですね。

日本にボタン(牡丹)が渡来したのはいつ頃なのか、定かではありません。『出雲国風土記』(733 年に成立)に、草木として牡丹のことが記されていますが、 現在のボタン(牡丹)と同じ物かどうかは、はっきりとは解かっていません。しかし清少納言の随筆「枕草子」(平安時代中期、西暦1000年前後)に登場する事から、ボタン(牡丹)は平安時代に遣唐使が中国から持ちかえった物とも、推定できます。

 

ボタン(牡丹)というと、雪囲いや正月(旧正月)の花、というイメージを持ってる人も多いのでは無いでしょうか。これは 冬牡丹 と呼ばれてる栽培方法で栽培されたボタン(牡丹)ですね。雪囲いなどの温度管理をして、普通の春咲きのボタン(牡丹)を、真冬の正月(旧正月)に咲かせる事を冬牡丹と言います。この雪囲いの可愛さも相まって、花の美しさも一層際立ち、独特の風情を作り出します。

この独特の雪囲いの名前も、地方によって色々と呼び名があり、福島・神奈川・静岡、宮城では「わらみよ」、茨城県久慈郡では「わらぱっち」と呼ばれます。奈良県の石光寺では「ワラヅト」、長谷寺では「菰かづき(こもかづき)」と言うそうです。また一般には、わらぼっち(藁ぼっち)と呼んでいる所も多いようですね。

しかし、一度 冬牡丹に使ってしまうと、同じ株は二度と冬には咲かなくなるそうで、それだけ株に負担がかかっている事も、想像に難しくないですね。

 

_DSC1278ボタン新七福神  画像の大きさ8256x5504