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アンズ〈杏子、杏)

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アンズ(杏子、杏)

英名:アプリコット(apricot)。 

中国名:杏(きょう)。 

古名、別名:からもも(唐桃)。

学名:Prunus armeniaca L.

界 : 植物界 Plantae
門 : 被子植物門 Magnoliophyta
綱 : 双子葉植物綱 Magnoliopsida
目 : バラ目 Rosales
科 : バラ科 Rosaceae
亜科 : サクラ亜科 Prunoideae
属 : サクラ属 Prunus
種 : アンズ P. armeniaca

形態:落葉小高木

花期:3月~4月

花色:桃色

原産地は所説あるが、中国の山東省、河北省の山岳地帯から中国東北地方の南部と言われています。

学名が armeniaca となっているのは、アルメニアが原産地だと考えられていた時期があった為です。

大陸からの日本への渡来は古く、弥生時代以降の遺跡からも出土しています。

「本草和名」(918)には、漢字を「杏子」和名を「カラモモ」とあります。江戸時代になってから、漢名の杏子を唐音読みでアンズと読むようになったといわれています。

落葉小高木 バラ科サクラ属 で、花は美しく花見の対象となっています。開花は春で、東洋系日本産のアンズ(杏子)は、サクラ(桜)よりも一週間程早い開花です。(上の写真の撮影日は、神奈川県で3/23日です。)一方、ヨーロッパ系のアンズ(杏子)は、サクラ(桜)より遅く、4月になってからの開花ですね。

 

現在、日本で商業栽培されてる産地は、リンゴと重なる土地が多く、主に甲信越や東北地方で栽培されています。

青森県と長野県が2強。この二県が毎年の様に入れ替わり生産量が一位二位となって、全体の98%を生産しています。

世界的な生産量としては、世界トップがトルコ、次いでウズベキスタン、イランと続きます。

果実を利用するようになったのは明治以降で、それ以前は種子・杏仁の薬用利用が目的でしたが、明治以降は科学合成医薬品の台頭で、段々と果実の利用がメインとなりました。

種子は杏仁(きょうにん)と呼ばれ、咳止め(鎮咳)や去痰、風邪の予防の生薬(日本薬局方に収録)として用いられます。

また杏仁豆腐は、元々薬膳料理の一つで、杏仁(きょうにん)を粉末にした物(杏仁霜)を、甘く飲み易い甘味にした物が始まり。現在では、杏仁と同じ芳香成分 ベンズアルデヒド を持つ アーモンドのエッセンスで風味をつけていることが多いようです。

開花糖体であるアミグダリン(amygdalin) が多く含まれ、未熟な果実や葉、樹皮にも微量含まれます。 

過去にアミグダリンをビタミンB17と呼んで、ビタミンの一つとされていた時期もありましたが、これは間違いで、それどころか青酸配糖体であり、体内などで分解され、シアン化水素(青酸)を発生させる有害な物質であり、大量摂取は控えるに越した事はありません。。

欧州食品安全機関(EFSA)では、アミグダリンの急性参照用量(ARfD:毎日摂取しても健康に悪影響を示さない量)を20μg/kg体重と設定しています。その量は小さなアンズの仁で、小児は半分、成人は1 - 3個程度になります。

過去には、「アミグダリンは癌に効く」などをいう話が有り、サプリなどに配合される事もありましたが、信頼性の高い研究では、癌の治療や改善・延命に対して何の効果も無く、むしろ青酸中毒を引き起こす危険性がある、と報告されています。

アメリカ食品医薬品局(FDA)は、むしろ、本来の医療を拒否したり開始が遅れる危険性がある為、アメリカでの販売を禁止しています。

 

糖尿病患者の血糖値調整に効果が期待されています。

糖質消化酵素のグルコシアターゼの働きをアンズが強く阻害する為、糖質が消化吸収されるのを抑制するので、糖尿病患者の血糖値調整に効果があると期待されています。